変身
理恵でっす。
今回、私にとって劇的な出来事が起こりました。
私の愛する箱庭ワールドに、パートナーを初めてご招待しました。
思えばこれまで、私が彼の世界へ行くことがあっても、その逆はしてこなかったということに初めて気が付きました。
今まで意識したことがありませんでしたが、無意識に自分の内面を見せることに抵抗があったのだと思います。
その背景には、「私という人間は受け入れてもらえない。」という思い込みがあったと思います。
逆に「私という人間を押し付けてはいけない。」という思いもありました。
どうしてそのようなことを自分に刷り込んでしまったのかは、まだわかりません。
ただ、その原因となるような自分の質については、なんとなく気が付いています。
私は、相手の影に自分の影を重ねたがるクセがあります。
そうすることで、自分と相手の影の区別をあいまいにしてしまおうとするのです。
そして、私がそういうことをしてしまうのは、ある相手に限定されています…。
影を重ねるためには、相手によりピッタリくっつく必要があります。
そんなことはよっぽど親しい間柄でなければなかなかできません。
でも、どんなに親しい間柄でも、普通に生活するのに密着し過ぎるのは不便です。
それが、どうしてもそうしなければならないシチュエーションが一つだけあります。
赤ちゃんです。
生まれたての赤ちゃんは、一人でほっておかれると死んでしまいます。
本来なら、常に抱かれている必要があるのです。
だから、赤ちゃんはそれを本能でわかっていて、おもわず抱っこしたくなるような
姿形をしているのだと思います。
見た目にはわかりにくいですが、赤ちゃんはそのために、ものすごい努力をしています。
なんとなくですが、私にはそのころの記憶があるような気がするのです…。
赤ちゃんだった私は、抱っこしてもらうために、自分をアピールすることに必死でした。
そのために、たくさんのエネルギーを欲しました。
あらゆるところからエネルギーを貪り、乱費しました。
それでも満足することなく、ますます傲慢になっていきました。
一方で、嫌われたら抱っこしてもらえないという危機感も持っていました。
嫌われるであろうという自分を見せないように、なんとかごまかそうとしました。
いつの間にか私の体は成長して、赤ちゃんではなくなっていました。
でも、「抱っこしてほしい。」という甘える気持ちをコントロールすることができるようには、まだなっていませんでした。
私はそんな自分の影を、相手に重ねて見えないようにしてきたのだと思います。
自立できていないことを自分では受け入れられずに、相手に受け入れてもらおうとしていたのだと思います…。
くっついたり、離れたりを繰り返しながら、赤ちゃんは人との距離の取り方を覚えていくのです。
そして、甘える気持ちを上手にコントロールできるようになっていくのだと思います…。
彼が初めて選んだ箱庭アイテムです。
モアイ像。
どんな思いを込めて置いたのかを聴いてみると、健康の象徴として置いたそうです。
モアイ像が健康の象徴なんて、私には思い浮かばないと思いました。
そして、注目したのがその置き方でした。
ど真ん中に寝かせる…。
なかなかの発想をする人だと思いました…。
なぜそのようにしたのかというと、「立てると一方向からしか見られないから。」らしいです。
ど真ん中に置いたわけは、「中心にいたいわけじゃなく、360度見渡せる位置にいたいから。」と彼は言いました。
よく見ると、砂と同化している様です…。
彼がその後に言った言葉に、このことがよく表れていました。
「地に足をつける。」
彼の今年の目標です。
私の持っている全てのファクターに当てはまる人であり、私の知っているどのファクターにも当てはまらない人。
箱庭を通した自分のパートナーに対して、そんなことを思いました…。
自分自身の自立と、家族の関係が深まりそうな、大きな変化の予感がしました。