怪獣と箱庭

理恵でっす。


今日は、男性のクライエントさんとの箱庭セッションでした。


お話を聴くと、彼はとてもタフな人だなーとびっくりしました。


毎日、朝から晩まで半端ないハードスケジュールを送っています。


「自分の限界を知りたいから。」と彼は言っていました。


しかし、私はその様子が、無理をしているとは感じませんでした。


むしろ、エネルギッシュな充実感が伝わってきます。


人間というのは、本当に感情の生き物であるな…とつくづく思いました。


生きていれば、誰しもが何かの壁にぶち当たったり、悩んで前に進めなくなったり、「生きづらいな…。」という状況になりうると思います。


そんな経験を積み重ねてきた人は、独特のオーラを放つのだと思います。


そして、その積み重ねたものに押しつぶされることなく、乗り越えてきた人というのは、不屈の精神でどんなものにも立ち向かえる力を得られるような気がします。


私は、まさに彼に対してそういうものを感じていました。


今の彼に、過去を掘り下げて改めて見つめなおすことが、必要なのだろうかということを考えていました。


箱庭が、そんな彼の心の安らぎになればいいなと思いながら、カウンセリングを進めました。

箱庭制作の前に、色を使ってイメージングをしてもらうワークをしました。


クレヨンの中から気になる色を選んで、白い紙に好きなように塗ってもらいます。


色とりどりのクレヨンやクレパスを目の前に並べると、「懐かしいなぁー。」と子どものような笑顔を見せてくれました。


手に取って触ってもらったり、匂いをかいでもらうと、とても照れくさそうにするので、それを見てなんだかうれしくなっている私がいました。


それは、母親が子どもを見ているときの感情に近いような気がしました。


彼は黄緑色を選ぶと、白い紙の真ん中らへんに小さめにぐりぐりと丸く塗りました。


それを見ると、彼の心が何か一点に集中しているように感じました。

そしていよいよ、箱庭制作というところでハプニングが起こりました。


側で見ていた私の3歳の息子が、「僕もー!!」と加わってきたのです。


「あらま、どうしようか。」と思いましたが、急きょ息子とのペア箱庭を提案させてもらうと、彼は快く受け入れてくれました。


私は、ホッとしました。


彼の心の広さを素晴らしいと思いました。


でも、実はこれでいいのだろうかという不安も感じていました…。


子どもは本当に正直です。


遊んでくれそうな人を、ちゃんとわかってくっついていきます。


きっと息子は、彼のそんなところを感じ取って、遊んでほしくなったのだと思いました。


ジャンケンで順番を決めて、かわりばんこにおもちゃを置いていきました。


彼と息子の箱庭の作り方を見ていると、一緒に遊んでいながらも、明らかに彼が息子に気を使い、息子にゆずっている姿勢が見て取れました。


息子は彼の置いたものを、遠慮なしに触って位置を変えてしまいました。


そんな世界を、彼は当たり前に受け入れていました。


私はそれを見て、彼に最初に感じたエネルギッシュなところと、真逆の部分を見たような気がしました。


彼の世界の中で、怪獣のごとく暴れまわる息子…。


そんな箱庭を見て、彼は何を感じているのだろうと、彼を見つめながら、想像していました…。

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彼が置いたのは、一本の背の高い緑の葉をつけた木と、池から生えている小さな二本の木、そして滑り台です。


私は彼に、一つ一つに込めた想いを聴いてみました。


すると、それぞれがとても深い意味をもって置かれていることを知りました。


やはり、聴いてみなければわからないものだと思いました…。


どんな状況でも、自分の意思をしっかり持ち、ちゃんと表現できるのだと、私は彼に気づかされました…。

今日は、ここには一度に書ききれないほど、とてもたくさんの学びがありました。


私はまだまだこれから、いろいろな経験をしていきたいと思っています。


明日は何が待っているかな…?


そうだな…きっと…ウフフ。(*^-^*)

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