こどもごころと、可能性。
理恵でっす。
今月に入って、二人の女性がそれぞれ別の日に箱庭をしに来てくれました。
どちらも箱庭は初めてとのことでした。
箱庭セラピーを知らない人や、「箱庭とはいったいどんなことをするのだろう。」と思っている人は多いと思います。
でも、なんとなく魅力を感じてやってみたいという人が、私のところに来てくれることがとてもうれしいです。
そういう人たちは、直観力にとても優れていて、自分から行動できる人、あるいはとても素直に人の話を聴ける人ではないかと感じます。
箱庭療法は遊戯療法といって、遊びの感覚を応用したセラピーです。
だから、箱庭をやってみたいと思うことは、新しい物事に対してワクワクドキドキした「こどもごころ」なのです。
子どものころって、目に映る全てのことが不思議で魅力的でした。
子どもの眼はホントにきれいだ…。
この作品を作った女性も、とてもきれいな眼をしていました。
ミニチュアを選んでいる時の様子からは、彼女のワクワクする好奇心が伝わってきました。
「あれもこれも素敵!全部ほしい!」
そんな声が聴こえてくるよう…。
選んだミニチュアを砂箱に置くときも、置くというよりも、心を込めて飾っているという印象を受けました。
女の子らしく、みずみずしい果実のような香りがしてくるイメージ…。
空飛ぶ絨毯に乗って、ピンクのくまさんがやってきたように見えます。
側にいる子どものようなものも気になりますね。
私はとても健康的で楽しそうだと思いました。
自分の子ども時代が思い出されました…。
私は特に人に興味をもつ子どもでした。
どんな人にも近づいていく私に、親は何も言いませんでしたが、内心は心配したと思います。
それなのに、一方ではとても怖がりでした。
本当はとても怖いのに、いつも好奇心に勝てずに行動してしまうのでした。
だから、誰かに自分のむちゃな行動を止められないように、身の回りに棘をいっぱいつけて身を守っているつもりになっていました。
でも、人が好きだから気を引きたいのです。
自分の外見をいつも気にしていました…。
彼女は作品を作ってみて、整理整頓をしたい自分に気づいたようでした。
それはきっと、自分のこだわりを大切にするためだと思いました。
整理整頓をすれば、自分にとって必要なものが、すぐにわかるようになるのです。
心が整理整頓できていれば、いつでも人を受け入れることができるようになります。
どんな自分でも、自信を持てるのだと思います。
そして、そういう人の外見は、例にもれず美しいものなのです。
私は、これから彼女がますます美しくなっていくのを感じました。
もう一人の女性は、三人の娘さんがいるお母さんでした。
穏やかで優しい物腰。
話していると、そんな柔らかい印象でありながら、情が深く、芯のしっかりした女性だということが伝わってきました。
同じ三人の子を持つ母親どうしということもあり、共感するところが多く、話題は子どもや家族のことが中心でした。
箱庭にもやはり家族が登場してきました。
彼女の箱庭で特徴的だったのは、四つ葉のクローバーという、自然の草花を想像させるものが出てきたことでした。
傍らにはジョロが置いてあり、彼女の中の、育てるという意識が表れているように感じました。
私たちが、自然からの生命力というものを、受け取って毎日生きていることを、彼女はちゃんと理解しているのを感じました。
やりたいことは持っている、悩むこともある、でも、「焦ってはいない。」と彼女は言っていました。
とても素敵な人だな…と思いました。
彼女のような余裕を持てるようになりたいと思いました。
余裕があるからこそ、相手の気持ちにもなれるのだと気づかされました。
そして、与えることができるのだと思いました。
そんな彼女が私にプレゼントしてくれたお花です。
カランコエ。
花言葉は、おおらかな心。
母として、妻として、女性として、私の心に響きました。
まだ、つぼみのカランコエです。
たくさんのつぼみは、たくさんの可能性。
育てよう、花咲かせるために。
そして、カランコエにはもう一つの花言葉もあるのです。
「あなたを守る。」
もう、自分を守る棘はいらないかな…。