ほっておく
理恵でっす。
先週末、箱庭を使ったワークショップを開きました。
テーマは、「カッコいい生き方をしよう。」
どうすればカッコよく生きられるのか…。
カッコいい人って、どんな人だろう…。
知りたい…。
その答えを教えてあげられるような大人になれれば、カッコいいな~…。
…という考えが、私の心に浮かんできたのでした…。
ワークとして、箱庭のグループ制作を行いました。
グループ制作では、一つの箱庭作品をみんなで作ります。
みんなで一つの作業をすると、全員の集中力が一点に集まります。
さっきまで知らない者同士が、心と体を張りつめて相手を必死に観察し始めるのを感じます。
顔見知り同士の、いつもは見えない心の中の、言葉ではない伝え合いが始まります。
男性という生物と、女性という生物。
自分と相手がある空間。
そこにいる全員の想像力が、ぶつかり合ったり、混ざりあったり、溶けあったりしながら、決して一人では見ることのできない世界を作り上げていきます。
気が付くと小さな箱の中には、どこまでも広がる大地があり、どこまでも深い海があり、どこまでも果てしない宇宙がありました。
私は、とても素敵な小説を読んだ後のような余韻に浸っていました…。
その時の時間が午後9時ごろ。
いつもとは違う夜の雰囲気。
私は、非日常感に満たされて心地よくなっていました…。
今し方、共感しあい、一つになった感覚を味わったばかりなのに、その時の私は完全に「孤」であったように思います。
私はほっておかれている…。
そのことに気づいた私の心が震え出すのを感じていました。
それはさみしがる自分を、優しく抱きしめているもう一人の自分が思う感情でした。
『ほっておけないのは、自分が見捨てられるような気がするから…。
自分が切り捨てる人間だから、人にもそうされると思ってしまうから。
だから、自分に余裕がないときでも、人をどんどん受け入れてしまっていっぱいいっぱいになってしまう。
まずは自分をなんとかしないといけないのに、いつもは自分が一番大切とか言ってるくせに、そんなときほど人の世話を焼いてしまう。
自分の力を信じられないから、人の力も信じられない。
甘やかしてほしいから、甘やかしてしまう。』
どこからかそんな声が聴こえてきました…。
カッコいい大人たちの箱庭が語りかけるそれは、月の光のように温度を持たない輝きであり、だだ私を照らすだけなのでした。
海底の方に潜り込んでいたイルカが、海面に向かって飛び上がった瞬間が心に浮かびました。
箱庭を作り終えたみんなの顔が、満足そうな笑顔であることが私はとてもうれしいのだ…と思いました。
この人たちは、ほっておいても大丈夫なのだと感じました。
求められたときに、いつでも手を差し伸べられる自分であろうと思いました。
ほっておかれる人になろう、それが、カッコいい生き方…。