仮面に、マニキュア
理恵でっす。
今日から子どもたちは夏休みです。
夏は心も体も開放的になる季節のような気がします。
小学4年生の娘が、「夏休みの間だけ。」と言って、私のエナメルを持ち出して自分でネイルを塗っています。
いつもは学校にそんなことしていけないのだけど、特別な非日常感を楽しんでいるようです。
娘のネイルを見て気づいたことがありました。
昨日見たときはとてもきれいに塗っていたのに、今日はもう剥げている部分がある。
よく見るとなんだか不自然に剥げています。
どうしたの?と聞くと、「ちょっと剥げたところをいじっていたらどんどん剥げてきたので面白くなって剥がしてしまった。」
と言います…。
エナメルを無理やり剥がすと、もともとの自分の爪の表面まで剥がれてしまうことがあります。
だから、ネイルエナメルを取るときは、リムーバーを使って優しく拭き取ります。
娘もそのことはもちろんわかっていますが、めんどくさかったり、剥がすことそのものが面白くなったりするのだと思います。
そして、何よりも、痛くない。
マニキュアは、おしゃれが目的ということがほとんどだと思います。
私はその要素の中には、「守る」とか「隠す」とかいう意味合いも含まれているように感じます。
そのことに気づかずに、痛くないからって無理やり剥がしていることってないかな…と思いました。
私は、人間には無意識にその人を守っているベールみたいなものが、あるように感じます。
見えないから気づかないだけで。
だから、自分は何からも守られていないような気がして、仮面を被って自分を守ろうとします。
でも、やっぱりそれって自分じゃないから、きっと始めは違和感があります。
ネイルみたいに、それが固まって自分の一部になるまでは触るとすぐに取れてしまいます。
固まるまではなるべく触らずに、じっと待っていると、じきにきれいに固まって動けるようになります。
それまでにかかる時間は、仮面の重さとか、その時の気候(コンディション)とか、素材によって違います。
仮面なら、試しに何度もフィッティングしてみることも可能です。
でも、無意識に私たちが身に着けている仮面は、ネイルのエナメルのようなものではないかと思いました。
だから、時間がたったものを無理やり剥がすと爪の表面が剥げてしまうように、見えないベールも一緒に剥がれてしまうような気がします。
そして、何よりも、痛くない…ような気がしてしまう。
その痛みは、とても感じにくい…。
でも、私は娘の爪を見たとき、自分の心が痛むのを感じました。
本当は…本当は…無理やり剥がされて痛いんじゃないかな?
剥げかけて、見た目がみすぼらしくなっても、まだその仮面が必要な人がいます。
それがどんなに不自然でも、無理やり剥がすことはしたくないと、今の自分が思っていることに気づきました。
君にどんなネイルが似合うのか、それが固まるまではどのくらい時間がかかるのか。
塗ってしまってから取り方がわからずに、息苦しい思いをするくらいなら、素のままの方がいいかもしれない。
でも、何も守るものがないと心細いだろうな…。
いろいろチャレンジしてほしいけれど、君はとても強い女の子だけど…。
無理やりネイルを剥がしている姿を見守るのは辛いな…。
もし、君が望めば、手を取って、優しく拭き取ってあげたくなるかもしれないな。
でも、それをしちゃいけないような気がしてしまう。
私がそれをしちゃいけないような気がしてしまう…。
あ、…………………………手をとってもらい、剥げかけたネイルを優しく拭き取ってもらいたいのは、私だ…。
思いがけず、素の自分が出てきて、解放されてしまった。。。
夏休みの魔法…。