誘惑に負けない心を育むには

あるアーティストさんが、「絵というものは止め時がわからないのよね」と言ったのを聞いたことがあります。だから仕事の締切や期日があると、とてもありがたいと思うのだそうです。
私はそれを聞いて、絵などの平面的な表現というのは、果てしない想像力を受け入れるものなのかもしれないと思いました。それに比べると、私のやっている立体表現というものは明らかな限界があると思いました。私が作っているオルゴナイトはレジンアートなので、一層作ったら固まってしまって、もう後戻りができません。だから、じっくりやるためには何層にも細かく分けて作るということをします。何度も段階に分けていくことで、より立体的に仕上がります。しかし、型が決まっているので、自分の意志に関わらず必ず創作には終わりがきます。

どうしようもないからこそ諦められるということがあると思います。まだいけるという期待があるとズルズルと引きずってしまい、そこに留まり続けて次になかなか進めないということがあると思います。でも、終わりが見えているものなら、そこから逆算して作りだすと簡単だし、上手くいきやすいのです。ただ、必ず決められた場所にたどり着かなければ、課されたミッションの完結にはなりません。そしてそれはあくまでも、その型を作った者が決めた終着地点なのです。

絵を描くというのはものすごい想像力と決断力がいる作業だと思います。
私は過去に、絵を描く人になりたくてその道に進もうとしましたが、決断力がなく挫折をした経験があります。だから今でも、絵を描くことには強い憧れを持っています。
そんな私が箱庭に出会えたのは本当にラッキーなことでした。
箱庭を使えば、絵を描いて表現するのと同じ様な感動と気づきを得られることを体験して、これなら私のように絵が描けなくても、誰でも自分の表現ができる。しかもはじめからある程度型が決まっていることで、とても安心だと感じました。

守ってもらっているうちは、限られた場所で素直に守られていればいい。箱庭の枠の中で、自分が持っているだけの玩具で描いて遊んでいればいい。でも、作られた安心の中で過ごしていると、やがて退屈がおとずれます。その時感じるものが、自分の殻を破って飛び出すタイミングではないかと思います。そこで必要なのが、想像力と決断力です。

退屈を感じると、行動が止まり思考しだすのです。思考というものは、身体的な疲労とはまた違うしんどさを伴います。思考することに慣れていない時は、考えることにすぐ疲れてしまいます。すると心に隙間が生まれます。これは、自分を守るために必要なのです。しかし、この時期が最も危ない時期でもあります。この時期に、必要以上に楽な方へ流されてしまい、戻ってこられなくなる危険が起こるのです。
もし、未来に想いを馳せる想像力と、今するべきことを思い描ける決断力の両方が強ければ、本来の自分から引き離されずにいられるのだと思います。

現代の研究によると、物質は粒子で構成されていて、波動によってその形を変えることがわかっています。
良い状態の時の波動というのがあって、その波動を受けた粒子が作る形はだいたい規則正しく揃った美しい形をしているそうです。
箱庭セラピーは心理的退行という方法を用いて、自分が良い状態であったときの感覚を思い出していきます、それを何度も繰り返すうちに、失っていた形をまた取り戻すことができる、本来の自分の姿になれるということがあります。

調和と不調和という状態がどんなものかということをちゃんと知っておけば、必ず自分で調整できると私は思っています。体や気分が優れているうちから、悪くなることをあまり心配しなくてもいいと思いますが、危険に備えて早いうちから対処しておくことは良いことだと思います。そういう意味では、箱庭で想像力と決断力を鍛えておくことは、心身の健康や病気の予防に繋がると、私は考えています。

トップアーティストのように、豊かに表現できる技術があれば一番いいし、人の代わりに表現することで人を助けられることもあると思います。
もしそこまではできなくても、せっかく様々なアートがあるこの世に生きているのだから、自分自身で表現できることを体験しない手はないと私は思いました。そして、アートがどういうものなのかということ、アートの本質を知るためには実際にやってみることがやはり大切だと思います。

アートの本質とは、私は自由だと思います。だから、自由とは何かと考えた時に、みんなアートにたどり着くと思っています。
私は大人になってから、自由を手に入れるために人は闘ってきたことを知りました。その人達の礎があるからこそ、私は今まで自由にやってこられたことも知りました。しかし、本当に自由になりたいのなら、真っ白いキャンバスを自分で手に入れなければならない。自分で手に入れたからこそ、それを大切にしようとする心が生まれるのだと思いました。
そしてやはり、自分だけの絵を描けるようにならなければいけないと思っています。

キャンバスを手にする決断力と、そこに描く想像力を鍛えられれば、どんな不自由にも耐えうる、あらゆる誘惑に負けない心を育むことができます。そうは言っても、誘惑に乗ると必ず悪いことが起きるわけではなく、誘惑に乗ったとしても、その後の自分の心の芯を保つことができれば、悪意に打ち勝つことができると思います。
誘惑に負けるとは、即ち己の中の悪意に負けるということです。
誰の中にも光と闇があって、光と闇の表現の仕方が違うだけで、思いは同じこともあるし、逆に表現の仕方は同じだけど、思いが真逆なときもあります。
箱庭でそういうことに気づき、学んでいくうちに心が鍛えられていきます。
まず始めに心の窓を開く練習を始めましょう。
絵を描けるというのは止め時、つまり終わりを自分で決められるということです。
それはまさに自由を手に入れるということの例えだと思います。
箱庭はその入口になり得ると私は確信しています、一人でも多くの方に体験していただきたいです。ぜひ箱庭セラピーを始めてみてください、心からおすすめいたします。

★箱庭であなたの心が描く風景を観てみませんか?箱庭セラピーとは……
詳しくはこちら
https://bit.ly/3nIpTHj

★箱庭で心のストレッチをして
気持ちのリセット習慣を身につけませんか?
詳しくはこちら
http://liyengo.com/hakoniwa/

Liyengo 箱庭
〜Sand Play Therapy〜

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です