美しく魅力的であること

スキンチェックのサンプルを取ってみませんか？と言っても興味がない人がいます。スキンチェックとは、肌の内部の状態を特殊な技術を使って見ることができるサービスです。箱庭も、作ってみませんか？と言っても興味がない人がいます。なぜ、興味がないのだろう？と私は思いました。

単純に今の生活形態に不必要な行動だからということはあると思います。しかし長い目で見た時にはそれが必要だと気づいたとしても、自分の今現在の素肌や心の状態と向き合うのが怖いという気持ちがあるのではないかと考えられます。その根拠として「何が出てくるのか見るのが怖い」という声をよく聞かされます。それは自分と向き合うのが怖いということであるし、自分を知るのが怖いと言うことだと思います。

自分を知るということは案外難しいものです。知っていて当たり前のはずの自分というものを知ろうとすることは滑稽なことのようにも感じます。他人に自分のことをとやかく言われるのは好きじゃないという人もいると思います。私も含めてそういう人は、そもそも多くの場合は他人を信用しない方が無難であることを経験から知っている人だと思います。
自分を知るための行動をやるかやらないかの選択は自由ですが、どんな結果が出てきてもしっかり受け止めるという覚悟がなければやる意味はないと私は思います。
外面と内面の違いはあれど、現実を受け入れるという点ではスキンチェックも箱庭も同じことです。
その覚悟とは、傷つくかもしれないという恐れを受け入れる覚悟です。

傷というのは外的要因によって起こる現象です。これは、体も心も一緒です。痛みというのは、体や心がこのままではもっと傷つきますよという脳からのサインです。
脳は未来予測ができる機能を待つ体の器官です。この脳の機能というのは、時に個人的な範疇を通り越して機能してしまうことがあるのです。どういうことかというと、自分と他人の境界線が曖昧なときには他人の傷を自分の傷だと認識してしまうことがあるからです。そしてその逆もあります、要するに自分の傷に気づかないこともあるのです。健康な状態を判断するためには、自分を傷つける外的要因に気づけているかということは重要な点だと私は思っています。痛みを発信する脳と受け止める心と体を最善の状態で機能させられていることが、健康な状態と言えると思います。

肌を優しくマッサージすることと、箱庭は似ています。例えば、マッサージの目的のひとつは血流をよくするためにしますが、血液がどんな状態かによってもですが、基本的にグリグリ力を入れればよいというものではありません。血流が良くなると体温の調節機能が正常ならば体が温まってきます、その時には多くの場合は副交感神経が優位になっています。しかし、強い力で刺激し過ぎると交感神経優位という状態になり、血管は収縮します。結果、血流は悪くなり、体は冷えてきます。要するに、強すぎる刺激は、単純に言えば体を冷やすことに繋がっていくことになります。

しかし、強い刺激というのは時にとても気持ちが良くなるという点があります。これは実は限界点であり、血管が限界まで締め付けられた後に開放されると快感物質が出るのです。これは脳が感じている情報であり、この情報とは心が感じている感覚なのです。
この感覚は統合に向かう過程では必ず起こる感覚で、とても大切なのですが、自分と他人の境界線を意識することができていない段階で受けすぎると危険です。

……と言っても、難しいところがあって、これは刺激を受ける側が気を付けるべきなのはもちろん、与える側も慎重に意識する事が大切なのです。だから、マッサージや箱庭というセラピーは、自分で選んで受けに行く場合は然るべき所に行くものだと思います。伝え方が難しいですね……クライエントさんが自分を客観視できるようになれば、すなわち自分と他人の境界線を意識することができるようになれば、そこからは自分自身で良くなっていくことが可能になります。しかし、その判断ができるようになることはそれまでの本人の基準からすれば容易ではなく、言うなれば次元が上がらなければ判断することができないのです。もうこれは、信じてくださいとしか言いようがないのですが……クライエントさんが自分を客観視できるようになれば、ご自身でクリエイティブに創造しながら生きていけるようになるので、ぶっちゃけセラピストも必要ないということになります。

もしここから器をさらに広げるのであれば、ここからは自分を助けてくれるスタッフを育成していく必要がでてきます。しかし、当たり前ですが技術不足、知識不足のままだとそれはできないので、時と場所と場合に合わせた考え方と能力を持つ人がそれをやるべきだと私は考えています。自分の器だけでなく、全体の器を考えられる人がイニシアティブを取るべきだと考えています。

話が逸れたので戻します。
肌を優しくマッサージすることと、箱庭は似ていると言いました。先述したように、マッサージの目的のひとつが血流すなわち血の流れを良くすることだとすれば、箱庭も心の血流すなわち心に浮かぶものごとの流れを良くするということです。ただし、健康な状態というのが真の目的ですので、それはその流れの先にあるのだと言うことです。マッサージや箱庭に夢中になって、より刺激の強いものを求め出す危険があるということを注意点としてお伝えしたいのです。しかも、それは自分では気づきにくいということもお伝えしたいのです。
繰り返しになりますが、自分の現実の肌や心の状態と向き合うのが怖いという気持ちは健康な人なら当たり前です。
そしてやるかやらないかの選択は自由です。
どんな結果が出てきてもしっかり受け止めるという覚悟がなければやる意味はないです。
これをクリアしたいと思う人を私は応援したいですし、自分自身も頑張っていきたいです。
そして心も素肌も美しく魅力的な人がたくさん増えて欲しいと思っています。