不思議な体験
じいじと箱庭②
タイトル 『不思議な体験』

じいじが箱庭に置いたもの。
黄色い足のインディアンの酋長
紫色のリンゴ
緑の自動車
私が記憶しているじいじが最初に乗っていた車、
青色のスバルのレオーネ。
クーペタイプでかっこいいボディだった。
それから何台か乗り換えて、
最後に乗っていたのが、
薄いグリーンのトヨタのカリーナ。
私が免許取りたての時、
じいじはこの車の助手席に乗って運転の練習につきあってくれた。
70歳を過ぎた頃に、
じいじは免許を返納した。
リンゴが紫色に見える時、
体と心に変化の兆しが表れるという。
食べることや生きることへの意識が希薄になるらしい。
やがて魂が肉体から離れて、
高次の世界に向かっていくのだろう。
成長する度に何度も乗り換えてきた体を返納するときがいずれやってくる。
インディアンの生き方を見習おう。
自然と調和し、
生き物は共につながり、
何よりも精神性を大切にする生き方。
「インディアン嘘つかない」
昭和生まれなら聞いたことのあるフレーズだな。
「ワタシ酋長、コレ、ジャポニカ学習帳」
このCMもTVでよく見たな、
懐かしいな。
今までたくさん学習してきたことも、どうせ全て忘れてしまうんだ。
生きるってなんだろう。
それは不思議な体験として、
魂に記憶されるのだろうか。




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レビー症のじいじは、普通の人が見えないものを見ることができます。
じいじの見ている世界が知りたくて、箱庭を作ってもらいました。
『じいじと箱庭』
じいじの箱庭に私が物語を書いた共同作品シリーズです✨
よろしくお願いします
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