s.A.s Egawo 10月の企画展【想紫苑(おもわれしおん)】
への出展作品 『カレヘノオモヒ』
作品タイトル
『カレヘノオモヒ』
s.A.s Egawo
10月の企画展
【想紫苑(おもわれしおん)】
への出展作品です。
この作品にはものがたりが二つあります。
ひとつは、『カニオとカニコのものがたり』です。それは実在したカニコとカニオのお話です。カニコとカニオはウチで飼っているサワガニなのですが、カニオはもうこの世にはおりません。オルゴナイトに入っているのはカニコとカニオの本物の抜け殻です。
もうひとつのものがたりは、私の書いたエッセイ本『雲の上はいつだってお天気』の中からの一節〈花の命は短い、恋せよ乙女〉です。
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また、よろしくお願いします。
(*´σー`)
s.A.s Egawo
10月の企画展
【想紫苑(おもわれしおん)】
日時:10月25日から31日
13:00-19:00
最終日16:00まで
場所:〒5430012
大阪市中央区谷町六丁目17-3
【アクセス】
大阪メトロ谷町線谷町六丁目駅4番出口より南へ90M
空堀商店街を西へ300M角を北へ25M左手
『カレヘノオモヒ』
〜カニオとカニコのものがたり〜
一緒になっても心は離れていた。
カニコはカニオを見つめていたが、カニオは外側ばかりに興味があった。
外側に飽きたカニオは自分を熱い目で見つめてくるカニコを煩わしく思い攻撃しだす。
カニコはカニオを憎らしく思ったが、それでもカニオを愛し続けた。
攻撃されても黙って受け入れるカニコの姿を、外側の者たちは見かねて二人を引き離した。
離されて初めて、攻撃した者は見つめてきた相手を愛しく思った。
カニオは後悔し、カニコともう一度一緒になりたいと願ったが、願い叶わず命は尽きた。
残ったカニコもまた、自分の弱さを憂い寂しさを募らせた。
その思いは執念となり、カニコをどんどん美しくした……
カニオの想いは魂となり、今でもカニコを見守り続けていた。
カニコの美しさは周りの生き物たちを虜にした。
やがて美しさを持て余すようになり、カニコは自分の世界に引き籠もった。
カニコは自分の行いを悔い改め、禊を始めた。
その禊で浄化されたカニコの肉体から落とされた泡と穢れは、周りの者を幸福にしたり、あるいは不幸にしたりした。
そして最後にカニコの肉体から生み出されたものが、光り輝いた。その光の中にあったものこそ、カニオの魂の生まれ変わりであった。
カニオとの再会によって生まれ変わったカニコは、新たな旅立ちのための扉を開いた……
ぜひ、
作品展を見に来てください。