じいじと箱庭⑨ 最終回

タイトル 『じーちゃんばーちゃんのおうち』

じいじが箱庭に置いたもの。

ビル
ぞう
きつね
ダイヤモンド
乳牛

「小さい象を食べちゃだめだぞう」
とじいじが言った。

象は大きな動物というイメージだが…
だから小さい象といっても、
僕よりも大きいと僕は思う。

小さい象は象の世界では、
食べられてしまう存在なのかな?
それとも、
象を食べる生き物が、
象の世界にはいるのかな?

じいじは今どこにいて、
何が見えてるのかな?
象の世界にいるのかな?

じいじに何が見えてるのか聞いてみると、「生きているものにそれがついている間は見えるけど、生きているものが死んだら見えなくなる」だって。

僕は思った、
じいじは見えないものが見える世界へ、生きたまま行く能力を身につけてしまった!
僕が知らない間に、それほどの修行を積んでいたのだとは…
恐れ入った。

この箱庭のタイトルは、
じーちゃんばーちゃんのおうち。

タイトルはじいじがつけている。

僕のじーちゃんばーちゃんは、
もうこの世にはいない。
もちろん、
じいじのじーちゃんばーちゃんも…

じいじの背中に乗って、僕もじいじの見てる世界に行ってみたい。
僕はじいじの背中を洗いながら、
いつもそんなことを思う。
でも、じいじは僕を背負うことはもうできなくなってしまった。
代わりに僕は、
じいじを車椅子に乗せて散歩する。
じいじはきっとこれからも僕を不思議な世界にいざなってくれる。

僕に何を見せてくれるだろう。
いつまでもじいじと遊んでいたい。

いつまでも

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僕のじいじは、普通の人が見えないものを見ることができます。
じいじの見ている世界が知りたくて、箱庭を作ってもらいました。
『じいじと箱庭』
じいじの箱庭に僕が物語を書いた共同作品シリーズ全9話でした✨
今回でひとまずおしまい
楽しんでくれてありがとう
次はじいじと何して遊ぼうかなあ?
またみんなもいつでも遊びに来てね〜


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