心の自由を取り戻す箱庭の魔法〜支配からの卒業〜

これは、支配的な人間関係から抜け出せずに、精神的に追い詰められた経験がある方に向けて書いています。

支配的な人とは、相手を自分の思い通りにコントロールしようとする特徴があります。

これは必ずしも自覚的とはいえず、自覚なく無意識に行う人もいます。

支配する人は相手の意見よりも自分の意見を優先し動かそうとします。

心の自由を取り戻す箱庭の魔法は、支配的関係の中で心を守るスキルです。

箱庭は“安全な世界を自分で創る行為”

 箱庭制作、それは、とてもあなたらしい自由の形です。それは、まさにあなたの心の世界を、手のひらの上に映し出すような行為です。

箱庭って、外の現実をそのまま再現するものではありません。あなたの心の中にある “こうあってほしい世界” を、静かに、そっと形にしていく作業です。

だから箱庭を作るとき、あなたは 

 誰にも邪魔されず

 誰の評価も気にせず

 自分のリズムで“世界”を動かしている。

それは、支配や恐れとは正反対の行為。

「私の中には、こんなに静かで穏やかな世界がある」と、自分の心に思い出させてくれる儀式のようなものです。

箱庭に込められるあなたの回復のプロセス

あなたの歩みを箱庭に描く時、箱庭はまさに

 “自己回復” の象徴でもあります。

 誰かが決めた枠の中で生きてきた 

→ 今度は自分の手で枠(箱)を作る。

 他人に支配されていた 

→ 自分の手で世界を動かす。

 不安や混乱に飲まれていた 

→ 小さな世界を通して秩序と美を取り戻す。

こうして、外の現実がどうあっても、自分の内側に “安全な世界” を再構築していくのです。

「箱庭の時間」をより深く自由にするヒント

①正しさではなく心地よさで動かす

並べ方や意味を考えずに、「ここに置きたい」と感じた場所に置いてみてください。

理屈よりも、手の感覚を信じることが

 “自由の呼吸” を広げてくれます。

②その時の気分をそのまま受け入れる

落ち着いているときも、モヤモヤしているときも、どんな心の状態でも、箱庭はそれを受け止めてくれます。置かれるもの、選ぶ色や形がかわることも、全部自然。

③制作が終わったら少し離れて自分の世界を眺める

「これは私が作った」「ここに私の感性がある」と、静かに感じる時間を持ってください。

それが、あなたの “自己肯定” の最も穏やかな形です。

箱庭はあなたの自由の証

あなたが箱庭を作る時間は、誰にも奪われず、誰にも命令されず、ただあなたの感性が世界を動かす時間。

つまりそれは、

「私は、私の世界を自分の手で築ける」

という体験そのものです。

それが、あなたが自由を感じる時なのだと思います。

まず確認したいこと

あなたが感じていることは、「わがまま」でも「冷たい」わけでもありません。

むしろ、これまで長い間相手に合わせてきた結果として起こる自然な疲弊です。

支配的な関係では、相手の感情の機嫌を取ることが常体化していくため、自分を守ることに罪悪感を覚えるように条件づけされてしまうのです。

だからこそ今、

「もう無理をして大人の対応をするのはやめたい」

「下手に出る自分をやめたい」

というのは、自分を取り戻す第一歩なのです。

では、どうやって鎖に繋がれながら自分を守るか?

物理的な距離が取れない分、心理的な距離の取り方がとても重要になります。

①反応しない距離を作る

 「そう思うんだね」とだけ返す

 「今はちょっと考えがまとまらないから、後で話してもいい?」

 「うん、聞いたよ」と短く受け止めて、議論しない。

意見を戦わせず、吸収もせず、ただ通過させる。

これが、支配的関係の中で心を守る最初のスキルです。

②時間の区切りで自分の領域を確保する

 「ちょっと一人になりたい」

 「今は静かに過ごしたいから、また後で話そう」

 「◯時までは自分の時間にしたい」

これは逃げではなく、エネルギーの再充電です。

相手に合わせ続ける生活では、あなたの心が常に相手中心に動いてしまうので、少しづつ自分のリズムを取り戻す必要があります。

③自分を責めない言葉をつかう

支配的な関係では、「自分が悪いのでは」「もっと優しくすれば」と思わされやすいですが、その思考は相手の支配の一部として植え付けられたものかもしれません。

「私は今限界を感じている、それは自然なこと」

「私が悪いのではなく関係のバランスが崩れているだけ」

「私は自分を守る権利がある」

自分へのセルフトークを変えるだけでも効果があります。

④助けを求めることは弱さではない

もし現在の関係が長期的にあなたの心をすり減らしているなら、外のサポートを検討するのも大切です。

たとえば、

 ハラスメント問題 メンタル相談(自治体の無料カウンセリングなど)

 信頼できる第三者に話す(親戚、友人、専門家)

今いる場所で孤立したまま心の問題を抱えるのは、気持ちがとても重くなり、動きたくても動けなくなるのです。

誰かに状況を聴いてもらうだけでも、心の安全が少し戻ってきます。

あなたが今もし、「下手に出たら自分がなくなりそう」と感じるのなら、その感覚は、自分の威厳を守ろうとする力です。それは攻撃の力ではなく、生きるための正直な反応です。

“優しくいること” と “自分を失うこと” は、まったく別です。優しさは他人のためだけに使うものではなく、まず自分に向けてもいいのです。

支配的関係の具体例 

ここでは、「支配的だ」と感じる相手の言動の例や、「この場面が一番しんどい」と思う具体的な状況を例にして、その具体場面に合わせて、「感情的に巻き込まれずに対応する言葉」や「心理的な立ち位置の保ち方」を一緒に整理していきます。

Aさんの場合

「一番つらいのが、私の大切な人との関係を壊すような言動をされるところです。実際に相手に従ってしまったことも多く、後悔や、やるせなさに気持ちが沈みます。私が理不尽を訴えても、百パーセント私が悪いと言われます。」

これは……Aさんにとって本当にしんどい状況です。

自分の大切な人との関係を壊すような言動をされる……それは、単に性格が合わないという次元を超えて、あなたの心の自由を奪うような行為です。そして、理不尽を訴えても「あなたが悪い」と返されるのは、心理的に支配・操作されている関係(いわゆるガスライティング的構造)にとても近いものです。

まず、Aさんが感じている、“後悔” “やるせなさ” “沈む気持ち” は、弱さではありません。それは、自分を取り戻そうとしている健全な感情反応です。

長い間、支配や罪悪感の中で自分の判断よりも相手の意向を優先する癖ができてしまっていたからこそ、今その不自然さにようやく心が気づいたのです。

これは“目覚めた”という段階です。

痛みは伴いますがとても大切なプロセスです。

まず伝えたいことは、Aさんが「従ってしまった」ことは、Aさんの弱さではなく、生き延びるための最善策だったということ。

支配的な関係では、相手の怒りや機嫌にさらされ続けるため、心が自然と「従うほうが安全」と学習してしまいます。だからこそ、過去の自分の選択を責める必要はまったくありません。Aさんはその時々で、自分を守るために最も安全な選択をしてきたのです。


Aさんが悪いと言われ続ける構造

支配的な相手が常にAさんを「百パーセント悪い」と言う背景には、

 自分の責任を認められない

 相手を支配することで自分の安心を保つ

 Aさんを“下の立場”に固定しておくことで関係をコントロールしたい

という心理が隠れています。

つまりそれは相手の課題であって、Aさんの人格や価値の問題ではありません。

Aさんの理不尽な苦しみを「あなたが悪い」と片付けるのは、現実を歪めてでも自分が優位でいたいという防衛的な反応なのです。

これ以上自分を失わないためにできること(Aさんの例をもとに……)

①「これは私の責任ではない」と自分の中で切り離す。

相手に理解してもらうよりも、まず自分の心で線を引くことです。

「これは私のせいではない、私は正直に感じたことを言っているだけ」

この言葉を何度も内側で繰り返すことで相手の言葉が心の奥まで入ってくるのを防げます。(慣れないうちは頭で繰り返すだけでも十分です)

②「関係を壊された」と感じるときの立て直し方

相手に大切な人との関係を壊されるような状況では、あなたの「つながりたい」「守りたい」という気持ちを利用されている可能性があります。

その場合、

 「私は自分で人との関係を選ぶ権利がある」

 「他の人との関係を守ることは、私の自由」

 「相手の嫉妬や支配は、私の責任ではない」

このように、自分の中で関係の主導権を言葉にしておくと、相手の操作的な言動に巻きこまれにくくなります。

③反応しない練習

支配的な相手は、あなたが感情的に反応すると満足する傾向があります。だからこそ、反応を見せないことが最大の防御になります。

たとえば、

 「そういう考え方もあるね」

 「私はそう感じていないけど、聞いたよ」

 「今はこの話を続けたくない」

こうした言葉を心で静かに繰り返すことで、“議論を成立させない=支配のゲームに乗らない”という形になります。

④信頼できる第三者を持つ

閉鎖的な密室のような関係では、一人で耐えると現実感が失われやすいです。

もし可能であれば、

・カウンセラー

・相談支援センター

・自治体のDV・メンタルサポート窓口

など、あなたの味方になれる外部の視点を持ってください。(支配関係や心理的虐待は、DVやモラハラに該当する場合もあります)

あなたの現実を「おかしいよ、それはあなたのせいじゃない」と言ってくれる人が一人でもいると、心の軸を取り戻しやすくなります。

「これ以上下手に出たら自分が無くなりそう」という思い、それは限界ではなく境界線を取り戻す力が戻ってきた合図です。これからは下手に出ないことや自分の領域を守ることが、冷たいことではなく生きるために必要なことになります。

Bさんの場合

「私が自立しようとする気持ちと行動をことごとく否定されてきました。それは支配的な態度だけではなく、私を助けたいという態度で私を甘やかすこともありました。私は相手から普通の社会人としては問題がある人として扱い続けられたので、自立せず相手に頼ることを自ら望んだという暗示を受け続けて、それでもおかしいおかしいと思いながら何度も自立をチャレンジしては引き戻され、私はもう社会復帰ができないと思うほど諦めていました。しかし、今また小さな一歩ですが、務めの仕事で外に行き始め、一年が経ちました。私が外に出ることを本当に阻止してくるのでとても苦労しました。でもまた私を「取り戻したい」と言われて、私はその言葉に嫌悪感と安心感を覚えるという奇妙な葛藤と戦い続けています。」

Bさんの言葉には、長い間「支配」と「依存」のはざまで生きてきた人にしか出せない深い痛みと、同時に確かな再生の力が込められています。

Bさんは、相手からの “支配” と “甘やかし” の両方を受けながら、自立を試みる → 引き戻される → それでも再び挑戦する……というサイクルを何度も繰り返してきたのです。

これは心理学的にいうと、支配−依存関係(コードペンデンシーまたは共依存)の典型的な構造です。

表面的には「助けてあげたい」「あなたのためを思って」という形を取りますが、その本質はBさんが相手に依存し続けることで相手が安心するという仕組みです。

そして、この関係のもっとも厄介なところが、まさにBさんがおっしゃった「嫌悪感と安心感が同時にある」という相反する感情の共存なのです。

「嫌悪感と安心感が同時にある」その意味

これは、心が「二重構造」になっている状態です。

1. 理性・自我の部分

 → 「もう支配されたくない」「この関係はおかしい」

 → 自立を望み、現実を正確に見ている部分。

2. 感情・依存の部分

 → 「この人がいないと怖い」「でも助けてもらえる安心感もある」

 → 長年の条件付け・恐怖・愛着の積み重ねによるもの。

どちらかが間違っているのではなく、両方がBさんを守るために働いてきたのです。

嫌悪感は、Bさんの尊厳と境界を守ろうとする力。

安心感はBさんが長年の不安に耐えるために心が作り出した防御。

だから、この時点のBさんは混乱しているのではなく回復の途上にいるのです。

つまり、心がようやく “正しい痛み” を感じられるようになってきた証拠です。

ここからの回復の方向性

①安心感=本当の安全ではないと理解する。

支配的な人から与えられる安心は “自由を代償にした安心” です。つまり、「あなたが従っている間だけ安全にしてあげる」という条件付きの安心なのです。

これを安全と錯覚してしまうのは、長い間その構造の中で生きてきたからで、Bさんのせいではありません。

でも、この時点のBさんは、その構造に気づけるレベルの自己回復力を取り戻しています。

②小さな自立を継続する

Bさんが「務めの仕事で外に出始めて一年が経った」これは本当に大きな成果です。

支配関係の中では、外の世界との接点が奪われやすいので、この一年はBさんが取り戻した自分の人生の再接続です。どんなに小さく見えても、これは確かな自立です。自分で選んで外に出て一年続けた、それだけで十分誇れることです。

③戻らないための境界線を自分の中に置く

相手が「取り戻したい」と言ってきたとき、それは愛の言葉に聞こえる形で、Bさんを再び依存関係に戻す誘いかもしれません。

その時に、自分の中でこう言葉にしておくと良いです。

「あなたが私を取り戻したい気持ちはわかる。でも、私は私を取り戻したい。」

この言葉は相手との戦いではなく、自分の中の戻ってしまう力への宣言です。

④支配と依存のサイクルを断ち切るためのサポートを持つ

この種の関係は、本人の意志だけで完全に断ち切るのが難しいです。それは、相手の影響が長く深く及んでいるからです。ここで有効なのは、外部の安定した支えを作ることです。

 カウンセリング

(トラウマ、モラハラ、DV関係専門が特に効果的)

 信頼できる友人、同僚、支援団体

 精神的に安全な居場所(例えば週に一度でも)

これらがBさんの新しい安心感を支える土台になります。

Bさんはもう回復の流れの中にいます。

「もう社会復帰できないと思っていた」

「でも今、外に出て一年が経った」

この時間の積み重ねはBさんの強さの証です。

まだ葛藤があるのは当然です。なぜなら、支配から抜け出す過程は “心のリハビリ” に似ているからです。

筋肉痛のように痛むけれど、それは回復のサインです。Bさんはすでに自分の人生を取り戻すフェーズにはいっています。

心のリハビリに箱庭セラピー

長い年月にわたって、自由と罪悪感の間で引き裂かれながらも、自分の意志を取り戻そうとしてきた人の行動はすべて、その人の中の健全な力が生き残っていた証拠です。そんな人達が語ってくれた流れには、いくつかの心理的な段階が見えます。そんな自分の中で起きていたことを整理することは、心のリハビリにおいて重要な過程です。

「遊び」が持つ癒やしの力

箱庭は、“安全な遊び” と表現されます。これは実はとても深いです。

遊びとは、本来 “心が自由に動く時間” そこには成果も義務もありません。

遊んでいる時、人は支配も依存もなく、ただ “生きている” だけ。

あなたが箱庭で遊ぶ時間を「安全」と感じるなら、ようやく “怖くない世界” を見つけ始めたからです。

それは、心の再生の証です。

あなたの自由は静けさと優しさでできています。

誰かに証明する必要も奪われることもありません。それは、あなたの呼吸のように自然に、これからも続いていきます。

自由を取り戻すということ

あなたはこれまでずっと “取り戻される側” として扱われてきました。

けれど本当は、あなたが自分の自由を取り戻しているんです。

あなたは静かに、自分の心の安全地帯を再構築しています。

箱庭に触れて、「これは私の世界」と感じる……それが、誰にも奪えない “本当の取り戻し” です。

自由を守るための心の言葉

もし、何か言われたり、外の世界で不安を感じたときは、心の中でこんな風に唱えてください。

「私は安全で安心な空間を、私の中に持っている。」

「誰かが乱しても、私の中の静けさは壊れない。」

この言葉は、外にある安全を求めるのではなく、あなたの中に安全を根づかせるための言葉です。

箱庭に表れる心の段階

箱庭セラピーを用いて、自分の中で起きていたことを整理してみると、制作するごとにいくつかの心理的な段階がおとづれます。

①「自立心の芽」が出る瞬間

「自分でも気づかないうちに自立心の芽のようなものが心の中で育っていた」というような表れはとても自然なことです。家庭的で内向的な人ほど、長く人に合わせて生きることをしてきたため、ある時期にその反動として「自分を取り戻したい」という衝動が強く出ることがあります。

これは暴走ではなく、抑圧されていた生命力が表面化した瞬間なのです。

ただ、箱庭のようにその力を受け止める安全な環境がなければ、そのエネルギーは外部の誰かに向かってしまったり、自分自身に向かってしまったという形になるのだと思います。それは、あなたが弱かったからではなく、その時に孤立していたからです。

 

②「逃げなくては」と感じる

自由を感じる時、まさにそれがあなたの “本当の幸せ” の核心にあります。

これまで、あなたは長い間、誰かの期待や支配、罪悪感の中で生きてきたのではないでしょうか。

その中でようやくたどり着いた「自由を感じる時」という言葉は、まるで心がようやく呼吸を取り戻した瞬間のようです。

蛹が羽化するように、自由になって羽ばたこうとする表現が、時に破壊と再生を象徴する場面を描きます。

「自由を感じる」とは何か

自由とはただ束縛されないという意味ではなく、もっと繊細なものだと思います。

 自分の考えや気持ちを誰にもジャッジされずに感じられること

 自分の行動を自分の意志で選べること

 誰かに合わせて “良い人” でいなくても、存在していいと感じられること

 「こうしなきゃ」ではなく、「これがいいな」で動けること

それは、生きる許可を他人ではなく自分が握っている状態です。

自由を守りながら人と関わるために

あなたの優しさと繊細さをそのままに自由を守る関わり方をするには、こんな心の姿勢が役立ちます。

①相手の気持ちを理解しても受け入れなくていい

「そう感じるのね」と理解は示すけど、「だから私はそれに合わせよう」とは思わない。

“理解と同調の違い” を意識することが、自由を守る鍵です。

②自由=孤独ではない

日常の中で自由を感じる瞬間を、少しずつ意識して言葉にしてみてください。

例えば、

 朝の空気を吸った瞬間に「今、自由だな」と思う

 誰にも指図されずに選んだ食事を味わう

 自分の足で歩いているときに「これは私の時間だ」と感じる

こうした瞬間を言葉にすることで、自由の感覚が現実の中の体験として強化されていきます。

小さな宣言

もし今のあなたに合う言葉を一つ贈るなら、こんなフレーズでしょうか。

「私は、誰かの理想ではなく、私の自由の中で生きていく。」

この言葉を心の中で静かに何度も繰り返してみてください。

言葉は小さいけれど、少しずつ心の奥の自分の居場所を確かにしてくれます。

あなたが「自由を感じる時」って、どんな場面に近いですか?

具体的な場面を言葉にしていくと、あなたの “自由の輪郭” がさらにくっきりしていきます。

例えば、安全で安心な空間で安心な人達と安全な遊びをしている時。時間を気にせず本を読んだり、映画を見ている時。面白いものをみて美しい音楽を聴いてものがたりを考えている時。

これはまさに箱庭の世界が当てはまります。

箱庭の中にある “自由” は、闘いのない穏やかなものです。何かを勝ち取る自由ではなく、安心と創造の中に息づく自由です。それは “何かを証明するための自由” ではなく、“ただ存在していいと感じられる自由” です。

 誰にも評価されない時間

 何者であろうとしなくていい空間

 自分の感性がそのまま流れていく瞬間

つまり、あなたの本来の呼吸が戻ってくる場所、

箱庭はそんな空間です。

支配や緊張の中で生きてきた人にとって、

 “ただ安心して遊ぶ” 

これが、どれほど尊いことか。

あなたの心はそれをちゃんと知っているのですね。

最後に、私のこと

私は、自分のアイデンティティというものをずっと見つけ出せずにいました。私は自分の愛し方をずっと間違えていて、大切なものを失って初めてその事に気づきました。

私は自ら一番大切なものを手放しました。(それが何なのかは敢えて言葉にしません)

ずっと現実が信じられず、自分がした行いを受け入れられず、私は自分を恥じ、憎み、心の中で無意識に罰し続けていました。

今なら、私に起こったことの理由がわかります。

私に起こったことは、外側が原因ではなく、私の内面で起こったことが表面化したのだとわかるからです。

それを知ったのは無意識のコントロールができるようになったから、潜在意識の書き換えをしたからです。

心理学や、そこから繋がったいろいろな知識を身につけ、箱庭を通して訓練と実践をすることで、私は潜在意識の書き換えをやり遂げることができました。

潜在意識の書き換えとは、長年積み重なった思い込みの塊をやっつけることでした。

その思い込みの塊とは長年積み重なった私の古いアイデンティティのことでした。

新しいアイデンティティが欲しかった私は、外の世界に探しに行くという選択肢を無意識に選び、結果として内面がまだ未成熟な自分から無理やりそれを奪い、失わせるという形になったのでした。

私にとってのアイデンティティは家族との関係性の中での私でした。

成人して自立するということは、これまでのコミュニティの中から出て、外側の社会の中で新たに自分を創り上げていくという道のりです。

私は、自分がこれまでいたコミュニティの中での学習から、一度はそれを創り上げていました。

それとは、一般的な学歴と職歴を経験して、結婚して子ども産み、家族をもうけるということでした。

しかし、もうけるというゴールを成し遂げても、そこからそれを営む(営みにする)というスキルは身についていませんでした。

私にとっての新しいアイデンティティ形成の第一歩は、家庭を営むというスキルを習得することだったのです。

その過程で、私は古いアイデンティティである家族と家庭の形を手放さなければならなかったのです。

しかし、私は間違えてしまった。

今なら、その間違えも新しいスキルである “営み” とその考え方を学ぶフェーズに移行するためには必要な過程のひとつであったと言うことができます。

私が自分の間違えに気づくために、私は他人に支配とコントロールされるという体験をしなければならなかったのでした。

私は私が私をずっと、支配的に愛していたのだと気づきました。

私はその愛し方が自分を喜ばせることであり、それを自由だと思い込んでいたのです。

私の本来の心が求めていたもの、それは本当の自由でした。

外側に守られている安心の中の自由から、内側の魂の守りによる自由を求めていたのです。

私が私の人生の旅で得た、自由を守るための心の言葉をもう一度書き留めたいと思います。

「私は安全で安心な空間を、私の中に持っている。」

「誰かが乱しても、私の中の静けさは壊れない。」

この言葉があれば、私は私の中にある小さな幸せを見つけることを喜びとして生きていけるのだと悟ったのだと思います。

私が感じている “小さな幸せ” それは、混乱や支配、罪悪感の中からようやく見つけた “私自身の居場所” です。

それを守ることは、自分を愛することそのものです。

自分の愛し方をずっと間違えてきた私が、ようやくたどり着いたところは、自分自身でした。

私はただ、自分が自分に還ってきたのでした。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

とても感謝しております。

私が自分自身の支配から抜け出して、潜在意識を書き換え、新しいアイデンティティを創造するまで長い年月がかかりました。

新しいアイデンティティを確立する、すなわちそれは本当の自分になることです。

書き終えてからもこの文を読み返すと、それがよくわかり、また新たな気づきや発見があります。

答えはいつでも自分の中にあります。

あなたもぜひ、自分自身のアイデンティティを確立してほしい、そのために私はこれを書き上げました。

ぜひ、あなたも箱庭で自分のものがたりを書き上げてください。

私もそのお手伝いができれば幸いです。

あなたが、支配的関係を卒業し、心の自由を取り戻し、愛と希望の光の中で幸せに生きられることを、あなた自身と共に祈っています。

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